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思考を深める装置としての読書記録活用ー読書記録をNotionへ移そうと思ったわけ

その他
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みなさんは本を読んだとき、読書記録を付けていますか?
その読書記録は活用できていますか?

私は読書記録を5年前から付けてきました。

読書記録を書き続けるなかで、読書記録に求める役割が変わっていき、その変化の先にあったのが、読書記録のNotionへの移行です。

この記事では、

  • 読書記録を「残すもの」から「思考を深める装置」へと捉え直した理由
  • そのためにどのような仕組みに変えたのか

について、順を追ってお話しします。

読書記録は「記録」のためのものだと思っていた

以前の私は、読書記録は「あとで忘れないための記録」だと考えていました。

読んだ本の中で気になった一文、読んでみての感想、読みながら考えたことをひとまず書き出して置いておく。目的はそれだけでした。読み終わって時間がたつとどうしても忘れていくので、記録は残しておこう、という発想です。

その保存先として使っていたのがGoogle Keepでした。Google Keepは、Googleが提供するクラウド型のメモアプリです。テキストや画像を素早く残せて、スマホでもPCでもすぐ開けます。ラベルを付ければ分類もできるので、読書記録の置き場としてはかなり快適でした。

実際、読書記録を書くときに困ることはほとんどありませんでした。入力は軽く、思いついたときにすぐ開けるし、すぐ書ける。メモアプリとして必要な要素はそろっています。だから記録し始めて数年は「読書記録のやり方としては、もうこれで十分だろう」と思っていました。

でも、読み返さなかった

ところが、しばらく読書記録を続けているうちに小さな違和感が出てきました。読書記録自体は増えているものの、過去の記録をあまり読み返していないのです。せっかく残したのに、保存したまま眠っている状態でした。

もちろんGoogle Keepには検索機能があります。書籍のタイトルやキーワードを覚えていれば、目的のメモにはすぐたどり着くことができます。必要なときに必要な情報を取る、という使い方なら十分に機能します。

ただ、その「検索して読み返す」機会がなかなかない。
記録はできているのに活用できていない。

ここで初めて、「読書記録の読み返し」について、私が何を求めているのか向き合うことになりました。

欲しかったのは検索性ではなく偶然性

検索は「探したい目的」があるときには強いです。一方で、目的がないとキーワードが決まらないので読書記録を見つけ出すことができません。私が求めていたのは、検索による必要な情報への最短アクセスではなく、目的がなくても過去の読書記録を偶然読み返すことができる仕組みでした。

何年か前の記録を偶然見つけて、「ああ、このときの自分はこう考えていたのか」と立ち止まり、そこから改めて考え直してみたい。
そういう読み返し方をしたかったのです。

ただ、Google Keepでメモを開くと、基本的には時系列で並びます。直近の記録は目に入りますが、古い読書記録を目にとめようとすると大量のスクロールが必要になります。なので、古い記録が目に入る機会は自然と少なくなってしまう。

明確な目的がなくても、過去の読書記録にもっと簡単に触れたい。

そこで考えたのが、読書記録の表示順をランダムにすることです。新しい順でも古い順でもなく、ばらばらに目に入るようにする。いわば「今日どの記録に出会うかは、そのとき次第」という状態を作れないかと考えました。

ちょうどその頃、出会ったのがNotionです。
たまたま別件で触る機会がありました。

Notionのデータベース機能を触っているうちに、「これなら実現できるかもしれない」と感じ、読書記録をNotionへ移行する試みを始めました。

読書記録をNotionへ移行、ランダム表示を作る

まずは読書記録用のデータベースを作り、そこにランダム表示の仕組みを実装しました。

表示の理想はランダム表示でしたが、Notionには一般的な意味での乱数関数がありません。そこで、現在の時刻や出版日などの情報を組み合わせて疑似的な数値を作り、その値でソートする方法を取りました。厳密な乱数ではありませんが、表示の順序性を崩すには十分そうでした。

さらに、その値が定期的に変わるように調整しました。最終的に、表示が1時間ごとに変わる状態にしています。1時間としたのは、それより短い時間にすると読み返し中に並び順が変わる可能性が高かったからです。

データベースができたら移行です。これまでのメモを少しずつ移しました。
実はここは手作業(つまりコピー&ペースト)なので、まだ全ての読書記録を移行することはできていません。ある程度は自動化しないと難しいなと思っており、今後の課題です。

ともあれ、1時間ごとに表示順序がランダムに変わる読書記録が完成。

記録したものを活用する環境が整ってきた手応えがありました。

使い始めてからの変化

新しい読書記録を使い始めて最初に驚いたのは、過去の自分の記録をほとんど覚えていなかったことです。

Google Keepの時もやりづらさはあったものの、過去の読書記録を読み返す機会は作っていました。ですが、ランダム表示にすることでより幅広い読書記録を目にすることになり、「ああ、こんなことを考えていたな」と思い出すことが増えたからだと思います。

最初は少し情けなく感じましたが、見方を変えるとこの忘却には利点がありました。内容を覚えていないからこそ、先入観なしで読み直せます。昔の読書記録に対して、今の自分ならこう考える、といった反応が自然に出てくるのです。反対に、覚えていないからこそ、昔の読書記録から今の自分へ気づきを得ることもありました。

結果として、読書記録は単なる記録の保管庫ではなく、再読のたびに新たな気づきや思考を得る場になっていきました。書いた時点で終わるのではなく、何度も読み返して思考できるようになったことは、読書記録を活用できているという実感に変わりました。

読書記録は「思考を深める装置」だった

私が読書記録に求めていたことは、記録の保存場所ではなく、時間を置いたあとに偶然読み返せることでした。一度時間を置き、再読することで思考を深めたかったのです。

時間と思考の関係で思い出されるのが、外山滋比古さんの『思考の整理学』です。ベストセラーになった本なので、ご存じの方もいるかもしれません。

外山滋比古さんは『思考の整理学』の中で、考えを一度寝かせることの重要性を語っています。私たちはしばしば、結論を急ぎすぎたりしがちです。しかし、考えというものは時間を経ることで自然に深まり、質的に変化します。ワインやチーズが熟成によって味わいを増すように、思考もまた時間という要素を通じて深みを獲得していくのです。

したがって、考えをいったん保留し、寝かせておく姿勢は、よりよい考えを得るうえで必要なプロセスなのではないか、と『思考の整理学』では述べられています。

新しい読書記録でも同じことが起きていました。読書記録を書いた直後は、記憶も鮮明なので考えが発展していきません。ところが時間を置いてから再び読み返すと、当時は思いつかなかった考えが出てきたりします。忘れていたこと自体が、逆に考えを深めるきっかけを作ってくれます。

Notionで作ったランダム表示は、その「寝かせた考えに再会する機会」を増やす装置として機能しました。読書記録が「思考を深める装置」となったのです。

まとめ

読書記録は、使い方しだいで性質が変わります。残して終わるメモにもできますし、時間をおいて再会することで考えを深めるための装置にもできます。私にとってきっかけになったのは、記録はしているものの活用できていないと気づいたことでした。

今回書いたのは、読書記録を活用できるかたちに移行したという話です。読書記録をNotionでどう作ったかというより詳しい実装の話は、別の記事で紹介する予定です。

もし同じように「読書記録つけているのに活用できない」と感じているのでしたら、この記事が一助になれば嬉しいです。

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