ダーニングってご存じでしょうか。
衣服の穴や、布が薄くなった箇所を、針と糸で修繕する 、ヨーロッパの伝統的なお繕いの方法です。ダーニングを施すことで、着られなくなった衣服に再度息を吹き込むことができます。
今日はダーニングの概要と、ダーニングが登場するビートルズの歌をご紹介します。
辞書でみるダーニング
ダーニングという言葉。
英語では、”darning“と書きます。
英語の辞書(英英辞典)にも載っている単語で「繕うこと」という名詞です。
ちなみに動詞は”darn”で、「繕う」という意味です。
さてこの”darning”。
例えばオクスフォード英英辞典では、darningの意味を以下のように説明しています。
repairing holes in clothes by sewing over them
Oxford Learner’s Dictionaries – Darning
[和訳]
縫うことで、衣服の穴を修繕すること
英語でも、ダーニングは「洋服の穴を直す=繕う」という意味で使われているのですね。
ダーニングはどのようなもの?
最も基本的なダーニングは、写真のように、毛糸などの糸を使用して縦糸と横糸を編み込んだものを指します。
例えば衣服の穴をダーニングでお直しする場合、まず穴の周囲に縦糸を渡し、そのあと横糸を渡すことで穴をふさぎます。
日本で「ダーニング」というと、この縦糸と横糸を四角(もしくは丸や三角など)く編み込んだものが一般的です。
一方で、本来のダーニングは、この他にもバリエーションがあります。
英語版のWikipediaで、ダーニング(Darning)のページをみると、この基本的なダーニング以外に、縦横のステッチで模様を縫ったもの(Pattern darning)や、メッシュ状の生地にレースのようなステッチを施したもの(Net darning)といったものがあるようです。
縫い目で模様を作っていくPattern darningは、日本の「こぎん刺し」に似ています。
ダーニングで使う道具は、針と糸、それとダーニングマッシュルームです。
ダーニングマッシュルームは、木製のキノコの形をした道具で、繕う部分の布をピンと張るために使います。
まず、ダーニングマッシュルームに生地を張ってから、針と糸で穴をふさいでいくのがダーニングの手順です。
ダーニングマッシュルームは、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、もしよければ読んでみてくださいね。
実は、ビートルズの歌にも登場する
ダーニングという言葉は、ビートルズ(The Beatles)の『エリナー・リグビー』(Eleanor Rigby)の歌詞にも登場しています。
歌詞の該当箇所を引用します。
Look at him working
The Beatles “Eleanor Rigby”
Darning his socksIn the night when there’s nobody there
[和訳]
彼の働きを見てごらん
誰もいない夜に靴下を繕っている
エリナー・リグビーの歌詞に登場するマッケンジー神父。
彼が、靴下のダーニングをしている様子が歌の中にでてくるんです。
彼がどのようなダーニングを靴下に施したのか?
靴下の色に合わせたシックなものなのか、それとも意外とカラフルな糸で目立たせているのか…想像が膨らみますね(*^-^*)
最後に
今回はダーニングという言葉の意味や、どのようなものなのか、簡単にご紹介しました。
ダーニングについて調べて、ビートルズの歌詞にも登場するような、ヨーロッパ(イギリス?)で馴染みのある言葉であることは驚きでした。
今後は、 実際に私がダーニングを繕ったなかで培ったノウハウなどをご紹介できればと思います。
それでは、また次回。
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